・・・2005年9月4日・・・

私たちの夏は終わった。



劇団そこげき 三度目の正直!一周年記念公演

『NO MUSIC, NO LIFE』



代々木公園の日時計前にて、無事公演を終えることができました。







「はい、みんな注目。とりあえず携帯の電源はONでOKだから!」
そうなんです。そこげきの野外公演は携帯の電源つけてても大丈夫なんです。











ナオ「新しいメンバーってどんな人かなぁ?」
シノブ「どうせ頭の悪そうなやつよ!」
ナオ「大丈夫だよぉ♪」
高校生2人がフリスビーをしながら他愛もない会話をしています。
どうやら話の内容はバンドのメンバーの話みたい・・・?





ショウ「新規メンバーのかっくんだ!仲良くしろよな!」
かっくん「かっくんです!」
新しいメンバーを連れてきたのはショウちゃん。
連れてこられたのはかっくん。
シノブ「私、この人ムリかも。」
ナオ「・・・どんまい!」
どうやらシノブはかっくんとは合わないみたい。
そんなシノブをナオは必死にフォローしています。




ショウ「あ、ナオ、これ誕生日プレゼント」
ナオ「え、これギター?ありがとう、凄い嬉しい!」
思わぬショウちゃんからのプレゼントにナオは大喜びです。








センセイ「火事だぁァぁぁ!!」
場面は一転!センセイが血相を変えて登場。
どうやら火事のようです。
センセイ「おい、内山!机の下にもぐるな、それは地震だ!」
生徒に注意をしながら去っていきます。
センセイ「堀口、女子のブルマ盗むんじゃない!火事場泥棒するんじゃない!」







そんな中、何故か火事場で立ち止まり苦悩するショウちゃん。
何を思ったのか突然、火事場の中心へと走り出します。












シノブ「ナオ、起きてよぉ!!」
火事の中で倒れるナオ。
ナオを担いで学校の外へ逃げるシノブ。





センセイ「タカギ!しっかりするんだ!!」
逃げてきた2人を見つけ、心配するセンセイ。
でも白衣を着てても医者じゃないからどうしていいかわかりません。
センセイ「とりあえず、センセイがおぶって行くから」






そんなところに突然かっくんが現れました。
シノブにギターを託し、また火事場へ。
センセイ「角田!お前どこに行くんだ!」
かっくん「ショウちゃんが!!ショウちゃんが中に!!」
センセイ「な、なんだって!?」
かっくん「僕、中に戻ってあqすぇdrftgyふじこlp」
もうすこし落ち着いて話しましょう。


結局、センセイはショウちゃんの後を追って火事場に戻っていきます。
かっくんはナオを、シノブはギターを持って非難しました。












バケツいっぱいの水を何杯もかけています。











センセイ「あの火事から一週間がたちました。
無事怪我人も出なくてセンセイほっとしています。
ところで、出席番号43番の山田翔こと、ショウちゃんが転校することになりました。
突然の転校でみんなに挨拶できないこと、大変残念がっていました。
連絡先は後から教えてくれるそうです。はい、今日のHRはここまで」









かっくん「練習場所…燃えちゃった…」
シノブ「楽器も…」
どうやら火事からしばらくたったある日のようです。
3人は久しぶりの登校みたい。
ナオ「ショウちゃんは転校しちゃったけど3人でバンドやろうね!!」

ショウちゃんはあの火事以来、姿を見せなくなりました。
センセイは転校と言いましたが、本当かはわかりません。
大好きだったショウちゃんが死んだなんてあり得ない・・・
ナオはわざと転校を信じています。
そして、それを指摘できないシノブとかっくん・・・


















それから一年後。














センセイ「火事です!避難してください!」
また突如火事が起きます。
まるで、一年前の記憶を思い出させるかのごとく…









二回目の火事が収まった後のある日です。
ショウ「だぁぁれだ?」
ナオ「!?」
何故かナオの前にショウちゃんが現れます。
ナオ「え、ショウちゃんはてっきり・・・」
ショウちゃんが帰ってきた。
ナオは、当たり前かのようにまたショウちゃんをバンドに誘います。






ナオ「本当にショウちゃんなんだよ!!」
シノブ「嘘だぁ!夢だよ、きっと!!」
ナオ「本当だって!ショウちゃん転校してたんだって!」
ナオはシノブにショウちゃんのことを話します。
しかしシノブは転校だと信じていないので、ナオの話を全く信じません。
そんなところにかっくんがやってきます。





かっくん「この前の火事で楽器燃えたから買ってきた!!」
シノブ&ナオ「どこで!?」
かっくん「ダイソー!!」
バンドマンがダイソーの楽器で演奏・・・
かっくん、やっぱり頭悪いみたいです。
でもバンドへの想いは人一倍のようです。


3人でワイワイしていると、そこへショウちゃんがやってきました。
バンドの仲間と久しぶりの再会です。
懐かしかったり気まずかったり、色々な思いが駆け巡ります。
そんな中、何故かショウちゃんは皆に転校を勧めたりします。
そのショウちゃんの行動がみんなは理解できず、不信感を抱いた時でした。






センセイ「また火事が起きました。避難してください。」
センセイとの再会もつかの間、ショウちゃんは火事の方向に走り出します。
それを追うナオ。


シノブとかっくんも追いかけようとしますが…


センセイ「どっせ〜い!!」
センセイに阻まれてしまいます。



その後、ショウちゃんはナオに呼び止められて火事場を後にします。
ナオが追いかけたのは、ショウちゃんをまた失いたくないから。
でも、ショウちゃんは何故火事場に戻ったのでしょう・・・










火事が収まってからしばらくは平和な日々が続きました。
四人で練習場所を探したり、遊びに行ったり。
普通の高校生の生活を送っているはずでした。






センセイ「最近、この辺からよくボヤが起きてるそうだ。お前達も気をつけろよ」





シノブ「私、調べたんだ、ショウちゃんのこと。
そしたら、ここのところ起きてる大規模な火災・・・
燃えた学校は全部ショウちゃんが行った学校だった。
この学校も、ショウちゃんが帰ってきてからボヤがやけに多くなった。
だから、もしかしたらショウちゃんは・・・」





真相を突き止めるべく、ショウちゃんの元へ。
火事のことを問いただすとショウちゃんは簡単に認めました。
ショウ「俺が、火事起こしてるのかもしれないな・・・
でも、お前らに言っても分かってもらえないだろうけど」
そして、ショウちゃんは突如バンドを脱退します。
ショウ「理由?・・・音楽性の違いってやつ、かな」




















場面は一転、一年前の過去の火事のときです。
火事場に戻ったショウちゃんはギターを持っていました。
そこへショウちゃんを探しにきたかっくんと出会います。
ショウ「おまえだけ早く逃げろよ!!」
かっくん「ショウちゃんを置いていけないよ!!」
ショウ「おれは大丈夫だから!」
かっくん「でも・・・」
ショウ「お前、バンド好きか?」
かっくん「うん、当たり前だろ。」
ショウ「俺も好きだ。またお前らとやりたいから、俺は必ず戻る!」
かっくん「…うん…わかった!必ずだよ!!」






その直後、死にそうなショウちゃんをセンセイが見つけます。
センセイ「山田、山田!」
ショウ「・・・なんで助けにきたんだよ」
センセイ「そんな、センセイだからに決まってるだろう!」

センセイはショウちゃんをおぶって火事場から脱出します。

ショウ「センセイ・・・こんな生徒受け持ってどうよ?」
センセイ「なんだ〜?いきなり。こんな火事の中飛び込んじゃう生徒なんてバカだよー」
ショウ「バカとか言うなよ・・・」
センセイ「おい、山田、もう少しだぞ。山田、おい、なんか喋れ。山田!」















そんな火事での出来事を二人は思い出していました。
そして、かっくんはセンセイにお礼を言い出します。
バンドが出来るのはショウちゃんのおかげであること。
そして、バンドが続けれこれたのは、センセイのおかげであること。
かっくん「ショウちゃんのためにも、センセイのためにも、
今日のライブ必ず成功させます!」


一方、ナオとシノブはかっくんより一足お先にライブの準備をしていました。
ナオ「私、このライブがうまくいけば自分の中で決着がつくと思うんだ」
シノブ「・・・そっか。大丈夫だよ、きっと大丈夫」
そんなところにかっくんもやってきます。



ナオ&シノブ&かっくん「エイエイオー!」
3人が円陣を組んで気合を入れていた時でした。










センセイ「火事です。場合によっては燃え広がる可能性もあるから早く非難しなさい」







ナオ「・・・きっとショウちゃんだよ!」
3人は覚悟を決めます。
ショウちゃんに会って何とかしないとライブが出来なくなってしまう!

ナオ「センセイ、行かせてください!」
センセイ「だめだ、行かせる訳にはいかない!」
シノブ「ショウちゃんが中で待ってる!」
かっくん「ショウちゃんを止めに行かないと!」
ナオ「・・・センセイ、ごめんなさい!」

センセイを突き飛ばして3人はショウちゃんの元へ向かいます。






3人の予想通り、ショウちゃんは火事場の中に居ました。
ナオ「なんとかしてこの火を消すことは出来ないの?」
ショウちゃんは淡々と、火事を止めるには自分を消すしかないと答えます。
ナオ「そんなこと、できるわけないよ・・・!」
シノブ「ナオ!バンドとショウちゃん、どっちが大事なの?」


ナオは迷います。
ショウ「ナオ、消してくれよ。
もう俺なんて生きていて死んでるようなもんなんだしさ」


そして。


ナオ「・・・わかった」



一斉にショウちゃんに水をかけました。




ショウ「今まで、ありがとうな・・・」














結局、火事はボヤで済み、無事に3人はライブを終えました。

そして、卒業式。



かっくん「僕の第2ボタンを受け取ってください!!」
ナオ「嫌。」
かっくん撃沈です。




シノブ「記念写真とろうよ!」

ナオ「みんな卒業できてよかったね」
シノブ「ホントは卒業できてないんじゃないのぉ?」
かっくん「いや、まさかそんなはずは・・・」
筒をあけるとかっくんだけ証書が入っていなかったり。
焦ってセンセイの元へと走っていきました。




ナオ「もう、泣かないでよ〜・・・」
シノブ「忘れないでね・・・」
ナオ「もちろんだよ!シノブちゃんに何かあったら、すぐ飛んでくから!」
シノブ「私もだよ!・・・それじゃ、またね」



みんなが去った後、ナオはショウちゃんからもらったギター取り出します。
ナオなりに決着をつけるために、ギターを放り投げました。
















それから何年後か…

センセイ「はい、注目ー!転校生を紹介します。」
ショウ「山田翔です。ショウちゃんって、呼んで下さい」
センセイ「・・・えっと、火事みたいなのでみんな慌てずに校庭に避難してくださいー」



果たしてショウちゃんは本当にショウちゃんなのか?
・・・それはまた次の機会にでも。








こうして、『NO MUSIC, NO LIFE』は終演しました。



当サイトの著作権は劇団そこげきにあります。
文章、及び画像の無断使用を禁止します。